イラストレーター活動とか料金とか

■イラストの料金の見直し

Ghostのフリーランスのイラストの制作の依頼はさほど多くないとはいえ、これまでいくつかあって、実は相手があまり予算が無さそうな時は、自分にとって妥当だと思う金額よりかなり安く受けていた。

 

でも、このところ先日の「リテイクが多いとやりたくなくなる問題」から色々考えて、やっぱり現場で自分にとって妥当な金額をどのお客様にも提示することにした。

 

1. 依頼の内容が興味深い

2. 相手の依頼文が丁寧で熱意があり、資料提供も多い

こういう場合は安くしてでもやっていた。

今後も1の場合は安くてもやる可能性はあるけど、大抵やった後の満足度の高い仕事というのはそれなりの金額を提示してくれるので、前ほど頻度は無くなりそう。

 

仕事の実績を増やしたいというのもこういう仕事を受けていた理由だったし、いくつかはポートフォリオに入れることもできそうなのでそれはそれで良かった。

でも最近もっとオリジナルの自分が描きたい世界を一度見直したいという意欲が出てきたので、自分の時間を使う場所を生意気ながら選ぼうかなと思ったというのも方針を変えるきっかけです。

 

 

イラストレーターとしての活動の悩み。(Ghost関連の質問とか)

これはもうこの数年を通して感じていた贅沢な悩みなんだけど、

Ghostの仕事は本来自分の経歴では出来ないような幸運のもとにできている仕事なので、その分「他が何もないイラストレーター」になってるよなあと……わりとずっと思っている。

 

私がバンドにかなり深く関わっているかのように思う人もいるようで、Ghostのツアーデータに関する質問が来たり、買ったシャツの印刷品質に関する苦情や、ストック数などの質問もくることがある。(全部海外の方から)

あとはどうやってその仕事を得たのかとか。

まあその辺はGhostの商品デザイナーと名乗ってるから間違われても仕方ないかも。(なので自己紹介を少し変更することにした)

 

しかし最近立て続けに「Ghostからいくらもらってんのー?」という嫌がらせなのか無邪気な若い子の書き込みなのか、はたまた文化の違いなのかわからなかったが、私としては不快な質問を最近受け取った。

しかしどうやらどの文化でも失礼な質問なようなので相手が未成年じゃなさそうな場合は明確な嫌がらせなのだな、と認識することにした。

 

お金の問題そのものがセンシティブだと思うので、どんな理由でも聞いてくるなよとは思うが、Ghostには過去に金銭の問題も含んだ訴訟があったのもあり、未だにそれで興味をもってる人がいるのかもしれない。

依頼してくれる人には見積として金額は提示するけど、こういう人たちは下品な興味本位なんだろうな……

 

そんなわけで先日これらのFAQをまとめて掲載して今後個別にそう言った質問には答えないことにした。

 

■今後

Ghostは大事だし許されるなら今後も描きたいんだけども……

実は採用にならなかったファンアートとして公開してる絵、まだ公開してない絵というのが沢山ある。

これはその時々描きたい気持ちで描いたもので後悔もないんだけど、どこかで一月に一枚は最低描きたいみたいな勝手な自分ノルマができて勝手に苦しくなってきたので、無理なく続けることを念頭においてやっていこうと思いました。

 

そして既存のキャラじゃなく、一からキャラをデザインしたら魅力ないな、となってしまうと他の仕事が来ない気がするので、オリジナルデザインももっと鍛えたいなとも思ってます。

 

 

■まとめ

これまで方針が定まらず依頼者の方を失望させたかな、という心当たりが少なくとも2件はあるので大変申し訳ありませんでした。

 

そんな感じで今年はゆるく作例を増やそうと思います。もっとやりたい仕事が何か自分の中で明確にしていきたいですねー

今は「音楽関連かなー?」みたいなふわっとした感じなので。

あと本業がゲームなのでゲームは好きなんだけどゲームの仕事は請け負わない方がいいかなというのはあります。

絵のご依頼が有れば対応したいですが、その時点でも体調やモチベーションで判断しようと思います。そんなに依頼はないから生意気な宣言ではあるけど。よろしくお願いします。

 

 

大幅な修正が出るとやる気無くすという話

最近ずっと調子が悪くて、まあ色々と原因を振り返ってみると、先日依頼されて描いた5枚のラフがボツになったショックがデカすぎてモチベーション大幅に削られてしまったのが主なストレス源だよなぁという結論になった。

 

ほぼ愚痴なんですが、今後はこうしよう、思ったことを書いてみる。

表題のとおり、ここ最近で今更気づいたのは

 

・大幅な修正、書き直しの要望が出た仕事はやる気なくなる。

・締め切り日が設定されてない仕事は納期が早くても遅くてもストレスになる。

 

ということでした……

※本業の仕事は勤務時間に対して給料が出ていることや安定した福利厚生が含まれるのでこれとは別です。(まあそれでも長時間の残業が必要な仕事量になれば同じ問題が出るとは思う。)

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1899(Netflix)の感想

ネタバレ厳禁系のネトフリのドラマが面白かったので、個人的な好きポイントとか好き勝手に書かせてくださいー!

一応見てない人にもおすすめしたいんでサラッとあらすじとか魅力の紹介をネタバレ無しで書いてからにします。

 

■あらすじ(ネタバレなし)

1899年の客船ケルベロス号に乗り込んだ乗員乗客が、4か月前に行方知れずになったプロメテウス号を発見し、救助に向かうもそこにいたのは奇妙なピラミッド形の置物?を持った少年だけだった。

そして少年を保護したケルベロス号では怪奇現象が起こり始める……

 

という、幽霊船ホラーみたいなとこから始まるドラマです。

脅かし演出やあからさまなホラー演出はなくて、ミステリアスな内容。「何が起こってるの!?」と考えながら見る感じです。

 

■個人的推しポイント(ネタバレなし)

まず、映像とか演出、音の使い方とかが娯楽映画ぽくなくて、アート系映画の趣があるところが好き!

これは裏を返すと展開のテンポが遅く、行間を想像で埋めて楽しんだりしないタイプの人には向かないかも。実際眠いというレビューもあるようだし。

ミニシアターでやるような映画も見れるタイプの人にはおすすめしたい!

 

驚いたのは今回コロナ禍のために制約があり、屋外に見えるシーンもスタジオセットとそれを取り囲むように設置された巨大スクリーンに映した遠景で再現してるというところ。

製作者たちも太陽の光の再現に不安があったがうまくいったと言っていたけど確かに違和感がない。

ちなみにこのドラマはドイツのクリエイターによるもので、あのフリッツ・ラングメトロポリスで使ったスタジオを使用しているそう。なんか感動。

 

それから、船に乗り合わせたメインキャラクターたちの国籍が多彩であらゆる言語が飛び交うところ。それもあってキャラクターの個性も立ってたと思います。キャストも良かった。このチームのキャスティング担当は前作のダークでも思ったけど全員キャラに合ってて良い。

全部英語に吹き替えた音声もネトフリに入ってるけど個人的にはこのエキゾチック感が良いのでオリジナル音声で見てほしい……

ダークでも聖書の引用が多かったけど、これもバベルの塔の話となんか関係あんのかなー。(これは私の勝手な推測)

 

=======ここからネタバレするよ========

 

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学生さん向けのラジオに出たはなし

京都芸術大学通信教育部の学生さん向けのラジオに出演しました!

あまりの緊張で口の中カラッカラですが、とりあえず無事に収録は終わりました。

ラジオそのものは学生さん向けの限定公開となるので一般に公開は今のところないと思いますが、今回非常に貴重な経験だったので感想やラジオで学生の方にお伝えしたかった話を書いてみます。

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日の目を見なかった仕事の話

さて、私だけかもしれないが気温や気圧の変化で心身ともにやられているのか、とにかく「無理すればなんとかなりそうだが調子悪い」という状態がこの数日続いている。

毎年この時期はこんな調子な気がするので驚くことも焦ることもないのだけど、今年は少なくとも去年と違って本気で絵を描く機会が多くこの半年で消耗してしまったなあと振り返りも兼ねて、最近あった仕事のことを書いてみる。

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絵柄パクられてますよ、と言われて思い出したこと。

昨今イラストレーターのトレースパクり問題なんかが炎上しがちだが、ここ最近本当に片手で数えるほどだけど「あなたの絵柄を真似して(GHOSTの絵)描いてる人がいるけど、どう思いますか?」と聞かれることがあった。

というか昨日2人からそんなDMが来た……(海外の方)

 

まず、聞いてくる人はどうも私の絵のタッチを真似て描いているように見える人は私の名前をクレジットするべきか、真似て描いた絵をネットに投稿すべきでないと考えているか、どちらにしても「悪い事をしている人」というニュアンスで伝えてきているように思う。

 

これまでのところ、そういった「ユッケの絵を真似しているように見える絵」を見てみると、確かにそうかもな、と思えるんだけど完全な模写やトレースではない。

日本のお絵描き好きコミュニティでも稀に「絵柄パクリ」なんて言葉を見たことはあるんだけど、私はこれは全然違法性はないと思うし、私自身も気にしない。と、いうか「おー私も真似されるようになったかー」と少し誇りに思う部分さえある。

私もこれまで様々な好きなイラストレーターの真似をしまくって今があるのだし。

……割と生々しい本音を言えば、それらが私より上手かった場合には嫌な気持ちになるけど、まだ自然にその書き方を取り入れてきれていないな、という絵だったというのもある。でも上手かったとしても怒るのはおかしいと今なら思える。

 

それで、「なんであの人の絵に似てる!」ということで怒る人がいるのだろうというのがいまいち理解できないなあと考えていたら思い出したことがある。

 

小学生のころ、クラスメイトにMさんという可愛い女の子がいた。知念里奈(分かる人今いるかな)に似てて、天然パーマだということにしてるけど、実際はパーマをかけてるんだと教えてくれた。(後に彼女は高校生の頃に確か読者モデルみたいなこともやってたらしく可愛かった。

で、ある日複数や友達が私のところに「Mさんが貴方の絵の描き方を真似してる、酷いよね」と告げ口にきた。当時からすでにお絵描きジャンキーだった私はMさんの絵を見てショックだった。それは私の絵に似てるけど、彼女の方がうまく描いていると思ったからだった。

当時の自分が彼女になんて言ったか思い出せないんだけど、多分「真似するのやめて」とか、敵対的な言葉をかけたか、少なくとも今みたいに「いや、私は気にしないよ」という対応はしなかったと思う。学校の帰り道にMさんが「真似してごめんね」と私に言った記憶はやけに鮮明に覚えている。それになんて答えたかも思い出せないけど、記憶力に偏りがある私が覚えているということは、きっとその時ある種の気まずさを感じたんだと思う。

 

まず真似したかどうかは言わなきゃわからないことだけど、彼女がそれを認めたことと、たとえ真似でも彼女の絵の方が上手いと私が思ったことは変わらぬ事実だから、というところに気まずさがあったのかもしれない。

 

それで、今になって思うとあれは嫉妬だったんだなというのが分かる。

Mさんの絵の技術についての私の嫉妬、ということもそうだが、私に告げ口した子たちは可愛いMさんが気に食わなくて粗探ししたかったんだと思う。

当時の私は外見の可愛い子、という認識はあってもそれと比べて自分を卑下したり嫉妬するという感覚がなかったからむしろMさんとは仲は悪くなかった気がする。

告げ口してきた子たちの名前も顔も思いだせないから、むしろMさんとのほうが仲が良かったかもしれない。

ここでこれを思いだして再び嫌な気持ちになるのは、嫉妬の種類も違うし告げ口してきた子たちに組してる意識は一切なかったにも関わらず、私はいじめに加担してしまってたなというところだった。

その後Mさんに対してしつこい嫌がらせが続いていた記憶もないけどたぶんその時私は嫌な気持ちにさせる態度をMさんに絶対したはずだからだ。

 

さて、それで最近の「絵柄パクられてますけどどうですか」メッセージのことに舞い戻る。

あ、これいじめだな、と思った。

補足としていうと、告げ口してきた人の片方は、インスタのDMに加えてEメールでも同じ内容を送ってきて、「早く返事が欲しい」や、「この件に言及する場合私の名前を伏せてくれ」というあたりがなんか純粋な善意ではいなと思わせる点だった。

きっとその絵を描いた人はそれなりにネット上で褒められたりいいねをもらえたりしていて、告げ口してきた人たちはそこに嫉妬してるんだなと。

ネットのおかげで遠くからでも褒められている人が可視化されてることが、現代的ではあるのかと思うけど、根本的に嫉妬でいじめが起こるのはずっと同じなのかも。

(まあ詳しい人となりはわからないから何か嫌われる行動もしているかもしれないが、今回のことだけに関してはこの人は悪いことしてないと思う。)

とはいえ、どう考えても小学生ではなさそうな人たちなのもあり、いじめの口実に私を持ち出してほしくないなあ。

 

それで、今回はメッセージをくれた人に私は気にしていない旨とを説明した……

と、その後に絵を描いたという本人からのメッセージも届き、

 

「私はGHOSTが好きであなたのデザインのシャツも買ったんだけど、真似していると周りに言われてしまって申し訳ない。多分その人たちからメッセージが届いていると思うけど、どうか許してください。今後GHOSTからは離れようと思います。」

 

といった内容だったので悲しくなった。

ちなみにどうやらその人はファンアートを売る予定があったらしく、それについては他にも売っている人を見たことがあるとはいえ、私は公式がはっきりと容認していない場合二次創作の同人誌もあまり推奨されているものだと思っていないので、「私に判断する権限はないけど売ることは著作権侵害になりうるからおすすめしない」とは伝えた。

でも基本的に私のテイストを真似してるかな、程度のことは全く気にしませんとは伝えたので、安心してくれたようでそれは良かった。

このことはちゃんと英語で海外のファンにも周知したいな。

 

……っていうか私ファンの間で目立ってしまってるけど英語できないおかげかいじめにあってないの運が良いな、とも少し思った。

傷つきやすいのでエゴサは絶対しないから、今のところ直接言われない限り怖い言葉には遭遇しないでいられているだけかもしれないけど。

もし日本でも知名度がもっと高かったら何か言われそうな気はするので、人気になってほしい反面、怖い……というか発言に気を付けないとなと思う……

(ずっとフォローしてくださっている方はご存じかと思いますが、数年前に某音楽誌の編集長に絡まれたりしたことがあって、当時精神的に不安定な発言をしてしまったことがるので……)

 

それと、GHOSTの絵に関して完全なブートレグ以外は気にしないのは、私自身が完全なオリジナルでなくて人気バンドの完成されたビジュアルに乗っかってるだけの未熟なイラストレーターという自覚を忘れないようにしたいからというのがあります。

これがもし私が考えた無名のキャラクターを私より魅力的に描いて人気になった人がいたりしたら悔しくて辛いだろうな……

GHOSTを描くまでほとんど二次創作とは無縁だったので、急に褒められる頻度が上がって調子に乗ってしまうんですけど、やっぱり一次創作者がすごいし、謙虚に今後も頑張りたいです。

もちろん自分の仕事そのものを卑下している訳でなく、GHOSTのグッズとしては最高に良い!と思えるものを毎回描いている、とは思っています。