IMPERA 2022 GHOSTの感想。

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IMPERA Cover

待ちに待ったGHOSTの新譜IMPERAが3/11にリリースされたということで、音楽に全く詳しくない私もファンの一人としてあふれ出る感想をまとめてみようと思います!

アートワークについても語りたいのだけど、実はまだ手元にフィジカルが届いていないので後ほど追加するかもしれません。

 

■各トラックごとの感想。

 

1. Imperium

インストなイントロ曲。

前作のPrequelleもかなりポップなアルバムだったけれど、イントロはホラー的な演出が残ってたので、これまではかなり違って壮大な神話の幕開けのようでドラマチックな印象。

この曲は事前のアメリカンツアーでもイントロとして演奏されていて、それを見ていたこともあってライブのオープナーとしてすごくワクワクする感じともよくフィットしていると思う。明るい印象もありつつ、切なさも感じる。

 

2. Kaisarion

種類も量も音楽をさほど聴いていないので、限られた知識から理解してるんじゃないかとただただ不安なので、一個人の意見として聞いてほしいんだけど、

私はこの曲の入りの部分には少し昔のアニソンぽさを感じた。でも、実は似たようなことを海外のファンも言っているので、昔のアニメソングってメタルとかロックの影響を受けてたりとかあるんだろうか。

前半部分に関してはそういう印象なんだけど、コーラスとか途中の拍子が変わるところで「いや、アニソンじゃねえな」ってなる不思議。(ごめんなアホな感想で)

ちなみにトビアス曰く、彼には珍しくメジャーコードで書いた曲だったり、本来先行シングルにしたかった曲らしい。(レコード会社の意向で別の曲に)

 

そして曲のテーマは4世紀ごろにアレキサンドリアに存在した図書館とそこで学問を教えていた天文学者ヒュパティアという女性がキリスト教徒によって異教徒として滅ぼされたという話からきてるようです。

この話をもとにした映画を見たことがあるのでうっすら何の話かわかったんですけど、もう少し歌詞を読み込みたいな~

(英語リスニング力よわよわなので文字で読まないと理解できない)

 

3. Spillways

ソースがファンが引用したインタビューしかないので正確性がちょっと弱いのだけど、

この曲はABBAと同じスタジオで録音されて、Money, Money, Moneyとおなじピアノを使っているらしく、意図的にABBAぽさを出しているみたい。
この曲は早朝のライブストリーム(事前に録音されたライブのストリーミング)にて初めて聞いたんだけど、解りやすいロックでカッコイイ。
難しいことはよくわからないけど好きな曲の一つ。
 
https://slavghoul.tumblr.com/post/678376792588976128/fun-fact-impera-was-recorded-at-atlantis-studios

slavghoul.tumblr.com

 

リリース直前のライブストリーム

youtu.be

 

 

4. Call Me Little Sunshine

先行リリースされていた曲。CIRICEに(このアルバムの中では)一番近い雰囲気があるからか、レコード会社が推したシングルカットらしい。

正直最初のリリースの時一回目に聞いたときには過去の作品との類似点もあるからか、驚きがあまりなくてピンとこなかったんだけど何回も聞いていたら早くライブでも聞きたいなーという位好きになりましたね。(しかし、事前のツアーでやらないっていう……!)

ビアス曰くこれはパソコンの向こうから子供たちを呼んでいる悪魔の歌……らしい。

大抵ラブソングぽい歌はラブソングじゃないのね……

いや、ラブソングじゃないものをラブソングぽく比喩することが多いのかなと思う。

www.loudersound.com

 

5. Hunter’s Moon

映画ハロウィンキルズのエンドロールでも使用された曲。(映画版はよりカーペンターライクなアレンジになっていてこちらも良い)

リズムがカーペンターのハロウィンのテーマに合わせている気がするし、他のファンにも指摘している人がいたけど、もともと書き下ろしたわけじゃないようなので、仕上げる段階でそういうふうにしたのだろうか。

この曲もこれまでのGHOSTの楽曲の流れを汲んでいてホラー要素もあり、好きな曲の一つです。

 

6. Watcher in the Sky

サーチラーーーイト!

って歌いたくなりますね。好き。イントロの音からかっこよすぎるんだけど、楽器演奏の複雑そうに聞こえるのと対比するように「Searchlights, Looking for the watcher in the sky」がシンプルに繰り返されるのが心地いい。

ギターソロも緊迫感とともに上がっていく感じが良い。

ライブでやらなそうだけど今回のアルバムの中でもかなり好きな方です。

私が単純にGHOSTに関してのみオタクなせいですが、毎回アルバムで一番好きな曲を選べない。大体複数好きな曲があるんだよな。

 

7. Dominion

小休止、という感じのインスト曲。次の曲に繋がる金管楽器の音色がファンタジックな中世の西洋世界を感じさせる。

 

8. Twenties

この曲もすごく好き。個人的には最初に聞いたときに驚きがあった点が特に嬉しかった。これまでの楽曲と違いつつトビアスが若いころにやっていたデスメタルバンドRepugunantの雰囲気が稀に覗いている感じもする。声も色々と使っていてすごく攻撃的で激しい半面で楽しくて面白さもあると思う。

 

9. Darkness at the Heart of My Love

ラブバラード。(ではない。多分。たまに不穏なグロウルが聞こえる)

これ、Twentiesからの対比がすごくて、これもあんたが作ったんか……くらい違うのがすごい。

多分単体で聞くとちょっと懐かしめのアメリカのポップバラードで、スカルペイントで仮装したバンドが歌っている感じはしない。でもいい曲。ポップなんだけど切ない旋律なんだよな。

 

これは次の曲でも感じたことなんだけど、Netflixのポップスの歴史に関するドキュメンタリーシリーズの中で、アメリカでヒットするスウェーデンの作曲家の曲に関して語られているエピソードがあって、色々腑に落ちるものがありました。

www.netflix.com

www.udiscovermusic.jp

 

10. Griftwood

アメリカ副大統領のマイク・ペンスと「彼のような人」を批判する内容、と事前にかなり具体的なテーマが語られていたので、どんなアグレッシブな音なのかと思っていたんですが……なんだっけこれ、この懐かしい感じ……バックストリートボーイズ……?!

途中「Holy Mother~」のところで拍が変わるのも不思議で面白い。

前述したドキュメンタリーでもバックストリートボーイズの楽曲について触れられていたけど、スウェーデン人が作ったアメリカのポップソングという要素を意識しているのかな。(でもDef Leppardぽいという意見が多いんですね。にわかで全然わかってなくてごめん…)

 

11. Bite Of Passage

次の曲の前奏トラック。旋律がRepugnantのEPのイントロを彷彿させる。

www.youtube.com

 

12. Respite On The Spitalfields

これまでのアルバムの最後の曲はキャッチーでありつつ少ししっとりめのものだった気がするんだけど、この曲はなんかすごい不思議で前半は掴みどころがない感じがしたんですが、「ッダァーーー」みたいな吐息のところ(表現力低)が面白くてすごい癖になる。

なんか私こういう謎の声の演出が好きなのかもしれない。意味はわからないしわからなくても良い感じの。

そしてアウトロの旋律がイントロのImperiumの主旋律と同じになって終わっていくのに「うおーーー戻るんだ!最初に戻るんだ!」と一人で声に出して感動していました。

いや、こういう手法のアルバムってそんな珍しくはないと思うんですけど、事前のインタビューの中で

 

「人間の歴史も地球の歴史にもサイクルがあって同じようなことを繰り返しているから、特定の事象そのものに関しての曲じゃなくもっと広い普遍的なことをテーマにしている」 

 

と語られていたので、アルバム全体がストーリーとして繋がっているわけじゃないけど、コンセプトアルバムとしてひとつの世界の循環を表してるのかなーというのを構成から感じられたのに納得感があって嬉しかった。

 

 

■全体通して。

 

毎回言ってる気がするけど、かなり好きなアルバムでしたね。単純に時間があったからかサウンドも凝っていたと思うし、(この凝ったサウンドも賛否両論なのかもしれんけど)ライブで聴きたくなる曲がたくさんあった。

後は歌詞をまだ読み込んでないのですが、結構綺麗に韻を踏んでて、トビアスによれば「同じ言葉で韻を踏みたくない」とのことなので、この翻訳ではなくなってしまうニュアンス理解したいなあなんて英語の成績2だった私は思うのでした。

 

「これは俺がGHOSTに期待しているものと違う!」「初期の謎めいたダークさとサウンドが良かったのに」という意見がでるのはどうやら恒例な現象らしく、今回もちらほらファンのそんな意見を見かけはするんですけど、トビアス本人が「最初の感じでずっとやってたら終わってた」と言ってるように、今後も予想を裏切ったことをして欲しいなあと思います。

もちろんずっと同じものを突き詰めているタイプのアーティストも好きだけどね!

 

■余談

完全に余談で前にも書いてる話なんですけど、私が初めにGHOSTを見に海外まで行こうと決めたのは、「なんかこの人たち長く活動してくれなそう」な気がしたからでした。

当時は「多分バンドメンバーはこの人とこの人」という正しい噂が既にあったのですが、誰も認めてなかったし作曲やアート作成のプロセスも謎の状態で、「メインでやってる人達の好みが多様で、飽きて別のプロジェクトをやりそう」みたいな印象があったんですね。でまあ、初期と同じことは確かに今やってないので、その予感はある意味当たってたかもなーと思いつつ、「メインでやってる人」が一番GHOSTを辞めたくなかったんだな~とも今になると思います。

結果全然違う音楽も新作として聞けて、古い曲もライブで演奏される、という状態が今あるのは私にとっては嬉しいし、その時その時の要素を楽しめて良かった。

 

一番変化のあった時期からデザインを使ってもらうようになったので、私がそういう利害関係があるから過剰に褒めてると思われそうなんですけど、音楽に感動しなくなったらこんなに頻繁に描かないので、本当に好きなんだよ~というのが伝わればいいなあ。

(※グッズ会社から依頼が来ることもあるけどほとんど勝手に描いて提案しているので)

 

アートや歌詞についてとか、また発見があったら何か書くかもしれません。

メンタルが弱くて、あまり他の人の感想を積極的に見たり、自分から他のファンと交流しようとしなくなってしまったんですが、それでも本当に好きなものについて語りたいという欲求はまだあったので久々に長めの感想文を書いてみました!