18の時に描いてた未完の漫画のキャラをリメイクする趣味企画シリーズ。今回も自分が考えたキャラの設定を語って行こうと思います。
◼️ヴァルテン・ヴァルター
アサガル帝国の時期元首候補だが、奇病を発症してから堕落した生活を送るようになり、後継ぎは弟になるのではと噂されている。少女とも少年ともつかない「レグノア人」のラクアを寵愛し、ラクアが傍にいる限り彼は痛みを感じることがない。
ヴァルテンが奇病「黒色症候群」と呼ばれる症状を訴え出したのは先の「黒の防衛戦争」での負傷の後だった。
支配者の純粋な血統を持つ彼が戦地に赴くことに帝国上層部は難色を示し、前線に行くはずはないことになっていたのだが、彼は皇帝との取り決めに背き、黒色異形者から彼は逃げ遅れた民間人を勇敢にも身を挺してかばい傷を負った。
しかし発症後の彼の生活にはかつての勇敢な皇太子の姿はなく、痛み止めや酒に依存する日々となってしまった。
・黒色症候群
黒色異端者によって負傷させられたものに現れる症状。傷を中心とした痛み、長期にわたる抑鬱状態、悪夢など。
原因が異形者であることは高いが治療法は確立されていない。基本的に既存の薬品で症状を和らげるという対処が行われている。
◼️ラクア
性別を持たない神秘の種族レグノアの生き残り。彼らは湖にある大樹から生まれるが、度重なる侵略によりその地を奪われてしまった。安住の地を求めたラクアはアサガル帝国の次期皇帝ヴァルテンの元に辿り着き庇護と寵愛を受ける。
天真爛漫な性格で人懐っこいが、希少で華奢なレグノアは悪意あるものたちに狙われやすいため、実は警戒心が強い。そして他者の細かな情緒に敏感である。
ヴァルテンは表情が乏しく考えの読めない人物だが、ラクアは彼が自分に対して非常に友好的であることがわかっているためいつも笑顔で接する。
しかし、人間たちの恋情や劣情、結婚など、特に王族のしがらみに関してはあまり理解していない。
・ヴァルテンとラクアの出会い
ヴァルテンはその日、黒色症候群の定期検診で護衛を連れて病院へ行った帰りだった。
彼は首都ゼクトの警備兵たちが一人の不法滞在者を捕らえているのに気がつく。
「待って下さい、私はレグノアの難民です!パスポートもあります」
少女のような若い声が必死に抵抗する様子にヴァルテンは興味を示す。そして、人混みを掻き分けその騒ぎの震源地に美しい少女……とも少年とも判断しかねる人物がいるのを確認した。ヴァルテンにはラクアが輝いて見え、その瞬間に自分の体にまとわりついていた黒色症候群の症状が消えていくのを実感した。
「待ってくれ、その者の話をちゃんと聞いたのか?」
ヴァルテンはラクアを丁重に扱うように促したが、帝国幹部達は懐疑的だった。レグノアは国際的に保護される対象として数カ国による協定が結ばれていたが、その一方で身分を偽るものも珍しくないため、ラクアは自ら身体検査を申し出て証明しなくてはならなかった。
・宮殿での暮らし
配下達の無礼、希少種属の保護、あらゆる口実をつけてヴァルテンはラクアの身元を宮殿に引き取ると主張する。それはほとんど一目惚れと言えた。
皇帝も弟も病によってより一層気力を失っていたヴァルテンの変化に戸惑いつつ、熱意に押されて承認された。
ヴァルテンは自室のすぐ隣室をラクアの寝室とし、彼の症状が辛い夜はすぐにラクアを呼んだ。
ラクアがヴァルテンの手を握る時、不思議と痛みや悪夢などの症状が消えるのだった。
しかし、ヴァルテンはラクアを決して同衾させることはなかった。
使用人たちは二人の関係を愛人関係のようなものと認識していたが、実際にはそれとは少し違っていた。
・ヴァルテンの悪夢
黒色症候群の症状として顕著なのは悪夢だった。罹患者は皆似たような夢を見る。それはヴァルテンも例外ではなかった。
白い空間に佇む巨大な建造物。その中に入るとたくさんの本棚が並んでいる。どうやら図書館のようだ。そして有史以前の古代生物の巨大な骨格標本が生きているかのように館内を闊歩している。これだけなら悪夢というには静かだったが、しばらくその図書館を探索すると、広間にたどり着く。そこには一つのソファが置かれ、その目前には積み上げられた複数のモニターがあった。
そこに映し出される映像はどれも残虐でグロテスクなもので、無数の悲鳴が飛び交っている。そしてソファの上には死体があった。筆舌に尽くし難いほどに損壊された女の死体。唯一と言っていい右目がわずかに瞬きした瞬間、後ろから声がする。
「リタ、もう、痛くないから。じゃあね」
そこで夢は終わる。
・レグノアの湖
レグノアは性別を持たず交配による繁殖をしない。彼らはレグノアの湖の中に鎮座する巨木から生まれ、その赤子は近隣に住むレグノアや保護団体によって育てられることで存続していた。しかし、近隣で採取される資源や、レグノアたちが持つ、ラクアがヴァルテンの痛みを癒したような特殊な力に目をつけた他人種たちからの侵略にあい、彼らは故郷を追われた。
ヴァルテンはその話をラクアから聞いてからというもの、その地をレグノアの手に取り戻させ、自分は帝国のしがらみを捨ててラクアとともにレグノアの子孫を育てる未来を思い描くようになる。
たとえそれが新たな戦火の火種になろうとも。
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また長くなってしまった。読んでくれる人がいるのか?と思いつつ自分のための覚書も兼ねてるのでとりあえず思いついたらブログに書いていこうと思います。(辻褄合わなくなったら加筆修正します)
キャラを考えた当時、ヴァルテンは皇太子じゃなく皇帝で領土を拡大したい好戦的な性格でした。もう少し厚みを出したくて色々変えました。
ラクアも性別のない種族という部分は同じですが、あまり重要な設定はなかったんですが、ヴァルテンとの組み合わせとかレグノアの設定を付け加えてシリアスさを追加しました。
特にラクアは可愛い女の子と見せかけて女の子ではない(BLにしたいわけでもないから男の子でもない)というところが当時自分にとって重要で、それ以外の設定を考えてなかったので新しく考えるのは楽しかった。
【ふたりの日常漫画】