それはお前のフォロワーじゃねえんだなって話

わざわざ宣言するような話でもないんだけど、絵描く人には共感してもらえるかもなーとも思い、そしてやはりどこかに吐き出さないと自分の精神衛生上よくないかもなと思った話を今日は書く。

 

■俺、漫画描きたいんだ。

今年に入ってからやりたいことが増えた。具体的に今一番やりたいのがオリジナル漫画を描いて同人誌にしてどこかの即売会(多分コミティア)に出展すること。

昔やっていたことをもう一度やりたくなってきた。

オリジナルで漫画となると、まず描き上げるのが大変(特にほとんど漫画を描いてこなかった私には)というのと、読んでくれる人もかなり限られてくる。

オリジナルなものは絵ですらあまり見てもらえないし、それが物語を読まないといけないとなると、時間を割いてくれる人はかなり貴重だから。

 

世の中に望まれていないものを自分が望んで出すというのは結構な忍耐力と意思が必要な気もするのだが、その誰も興味ない漫画を少しずつ描き進めながら、「あー癒される」というのに気が付いた。

 

本来自分が絵を描いているのはこうやって自分だけで満足できる感覚があったからで、周りからの評価が良くないときでもやめられないのはこの自分の時間や場所を確保している安心感から来ている気がする。

だから今自分はこの作業をした方がいいんだな、と思った。

 

■認めざるを得ない現実……

で、それに伴ってまあ分かってはいたけど、今回の表題「それはお前のフォロワーじゃねえんだな」っていうことを改めて認識したわけです。

 

贅沢な悩みで語弊もありそうだけど、5年くらい(単純なファンアートも含めると8年くらい)GHOSTの絵を描いてきて、フォロワーも増えた。(主に海外のアカウントのほうだけど)

それは喜ばしいことなんだけど、このフォロワーのほとんどはGHOSTのファンなので、「私のフォロワー」ではないってことをちゃんと認めようと思った。

 

もともと私がGHOSTの絵を描いているのは「推しに絵を見てもらえる」という純粋な動機なんですが、「GHOSTの絵を描いていないとまずいかな」という感情が今年に入ってから出てきた。我ながら自意識過剰すぎるのもわかってるけど。

これは絵描きというより、フォロワーから賞賛されることをしたくなってしまうという現代的なSNS病なんだと思う。

それでそこで気が付いてしまうのが、自分が「GHOSTの絵を描いている人ですよ」というのを使って承認欲求を満たすようになって来てないか?というのと、そうでもしないと日常生活で自分に満足できていないからなのでは、という哀しい現実だったりする……

 

いやーこれ良くないよね。良くない。心が荒む。

 

■承認欲求・自己実現

前にも書いたかもしれないけど、この承認欲求おばけが出始めたきっかけは単純にSNSだけの問題ではなく、GHOSTのライブを海外に見に行くとすっごいチヤホヤされたというのも大きい。

ライブ会場の前でシャツにサインを求められたり、「こういう人生に憧れた」ということが実現していた。

でも日本に帰ってくると特筆することもない自分に戻るわけで、この高低差を繰り返すうちに正直ちょっとおかしくなってしまった。

このことだけが原因じゃないんだけど、色々なことが重なり、コロナ禍に突入する直前にこの自己肯定感(この言葉あまり好きじゃないが)の不安定さがピークになってしまってメンタルをやられて1年くらい休職したりもした。

 

■結局何の話なのか。

結局何の話かというと、GHOSTで得たフォロワーや評価が恋しいけど、それは実際は絵描きとしての私や人間としての私の評価ではないので、(いや、SNSで人間として評価されたいということではないんだけど)ここに乗っかったままでは自己実現できないからちょっとGHOSTを描く量を減らそうと決めたという話です。

 

もし今仕事がなくて、でもそれでも貯蓄できる量の不労所得とかがあるなら両立できるのかもしれないけどやりたいことが増えてしまった分、何かを削らないとすべてうまくいかないんだよなー、自分の精神を保つにはそれがベストなんだよなーとこの数日考えていた。

 

■継続への疲れ

私が手掛けたGHOSTの公式シャツデザインはこれを描いている時点で38種類なのですが、(多分一番私のデザインが多いんじゃないかな……)実際「買い取ってもらったけどリリースされなかったもの」「買い取ってもらってないけど好きで描いたもの」を含めるともっとたくさんになります。

依頼されて描いたものもありますが、大半が私が勝手に描いて提案して、良ければ使ってもらうというものなのと、一年くらい前に提案したものが突然採用になることもあるので描いたけどネットには公開していない絵というのもたくさんあります。

つまり、すごい純粋なファンとしてのモチベーションを保ちつつ、これだけ描いても新しいアイデアを……となってくると正直疲弊もしてきてしまいます。

(いや、楽しいんだよ!楽しいし不採用になったものも描いて良かったと思っている。でも続けるのがね)

ほぼ毎月何かを描いて提案していた年もあって、この5年時間をかけて仕上げた絵のほとんどはGHOSTの絵でした。

 

■フォロワーの数は実は関係ない。

で、気が付くと自分のポートフォリオには私が一からデザインしたキャラクターの絵が乏しい状態になってしまったんですよね。

GHOST関連でフォロワーが増えても、当然それ以外に何が描けるのかが提示できていないので、絵の依頼が増えるということもなく……

まあこれもGHOSTに乗っかって仕事増やそうとしてたのかよ、と言われるとハキハキ答えられない部分なのですが、正直ちょっと期待していたけど、そもそもフォロワー増→仕事来る可能性増というのが私の誤解だったというのにも最近やっと気が付きました。

(数ではなくイラストレーターを探している人にアピールできているか、自分のできることを提示できているか、というのが重要なんだと思う。)

 

■まとめ

また徒然に書いてしまったけど、ここまで読んでくれた方はいるのだろうか。

読んでくれた方、(いるなら)ありがとう!

「世の中に望まれていないものを自分が望んで出す」というのを今後やりたいなっていう話だったので、この記事自体はそのコンセプトに合ってて自分では満足です。

 

多分また少ししたら考え方とかやりたいことは変わるんだと思うけど今現在の私はこんな感じです。

何か個人制作で定期更新できるものを模索中だけど、とりあえず今は制作中のものを今年中に仕上げるのを目標に頑張ります。